159 : ヘタレ葬儀屋 ◆fcEtU5f4EA:2013/11/25(月) 17:59:44.97 ID:v0JBINwxi
ある夕間詰めに当家に納棺をしに向かっていた。
 
(狭い道だな~。擦りそうだ・・・) 

ワンボックスに棺を積んでいたので仕方ないが、地図で見るより遥かに狭い。

(あれ、行き止まり?) 

うーん、どうしようか。さっき来た道に脇道があったな。
地図上でも繋がってるしもしかしたらこっちが正解なのかも・・・。
 
狭い道をバックで戻り、脇道に車を振る。


石敢當
 
(やっぱりこっちか。) 

脇道に入って暫くすると道幅が広がってきた。
 
(あとは・・・と) 

この先は丁字路。どちらだったかな・・・ 

実は結構な方向音痴でこの様な事はままある。 

ガサゴソ・・・ 

新人に見られるとバカにされるので詳細地図を一冊後部座席に隠しているんだよ・・・ 

(えーと、あれ?何処やったんだ?) 

シートベルトを外して後部座席に乗り掛かる様に後ろを向いた。 





俺「ファッ!?」



161 : ヘタレ葬儀屋 ◆fcEtU5f4EA:2013/11/25(月) 18:10:52.00 ID:v0JBINwxi
今の時間は17時40分位のはずなのに、車の後ろは朝靄が掛かった様な青白い光景が広がっていた。
 
(なんだこれΣ(・ω・`ノ)ノ !?) 

急いで腕時計をみてもやはり夕方の時刻を示している。
 
前を見たら前は綺麗な夕焼けが見える・・・。
 
(なんかヤバイな・・・やばいセンサーがビコビコ鳴ってる・・・(゚A゚;))




163 : ヘタレ葬儀屋 ◆fcEtU5f4EA:2013/11/25(月) 18:18:16.10 ID:v0JBINwxi
センサーには素直に従うのが俺流のオカルト処世術だ(´・ω・`) 
とにかく丁字路のどっちかに入ろう! 

今更地図などに用もなく、シートベルトをしてアクセルを踏み込む・・・! 
が、いくら広がったとは言え路地に変わりはない。
 
(スピード出せネェ(;・`д・)) 

しかもこの丁字路、カーブするギリギリのラインに石柱が立っていて一発で曲がれない・・・。 

(くそ、とにかく左だ!) 

キュルキュルキュルキュル・・・! 

何度か切り返して左に曲がれた。 

(そういや、夕焼けと朝靄の境界線て・・・) 

こんな状況でも人間好奇心は捨てられないwww振り向いてみたwww



164 : ヘタレ葬儀屋 ◆fcEtU5f4EA:2013/11/25(月) 18:42:52.90 ID:v0JBINwxi 
そこには不思議な光景が広がっていた。
 
丁字路の壁側にある石柱に朝靄が吸い込まれていた。
 
(はぁ?) 

と言うか流れ込んでいる・・・。
 
(何だがすごい光景を見てる気が・・・) 

時間にして何分だろうか、もしかしたら数十秒かもしれない。 

最後の朝靄が石柱に吸い込まれて、辺りは夕闇に変わった・・・。 


ぶるるっ 


今更ながらに寒気を覚えて本来の仕事を思い出した・・・納棺だ・・・。
 
とにかく戻りたくないのでひたすら道なりに進むと、目的地の当家があった。



165 : ヘタレ葬儀屋 ◆fcEtU5f4EA:2013/11/25(月) 18:56:48.67 ID:v0JBINwxi 
するべき事を終え、お茶が振舞われた。
 納棺中も気になり続けていたあの現象の事を聞こうと思ったが、まさか信じてはくれまいw
自分でも半信半疑なのだから。 
どうしても気になるのであの石柱について聞いてみた。 

俺「あの、今日来る時に迷いましてw」 

喪主「ウチは地の者ばかりの古い地域ですからね、狭かったでしょw」
 
俺「いや~あの丁字路の石柱に当たりそうになりましたよwあれはいつからあるんですか?」 

喪主「あれは私達が産まれる前から在る物で、石敢當と呼ばれる沖縄や九州の魔除けらしいです。」
 
俺「はあ。イシガンドウ・・・」 

そこでピンときた。 
ある時に天台宗の偉い坊さんにこの地域には辻敢當(つじがんどう)なる魔除けが点在している事を聞いた事がある。 

それだっ!!

俺「なるほど。そうだったんですか」 

冷静を保ちながら独りごちていた時に・・・ 



嫁さん「あの、あんな遠回りで来られたんですかwwwそんな事しなくても国道から二つ入ってきたら直ぐですのにwww」 

俺「・・・」 



俺の方向音痴さえなけれはあんな不思議な体験をせずに済んだ事は口が裂けても当家には言えない・・・(;´д`) 






引用元
http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1385255445/